諏訪和慶(Kazu Suwa)について
諏訪和慶(Kazu Suwa)は独自性を保ちつつクラシック・ギターの豊かな響きや叙情性を蘇らせることを志す日本人クラシック・ギターリスト。音楽の真正さを追求する傍ら、ギター演奏を通じて聞き手の心に残る特別な時間を提供することに情熱を傾けるクラシック・ギターリストとして知られている。諏訪は演奏プログラムの選曲にも細心の注意を払い、流行に左右されることなくギターの持つ唯一無二の美しさが最大限に反映される演奏を提供することに注力している。
音楽評論家、濱田滋朗氏は『ロンドンに住む日本人ギタリト、KAZU SUWAこと諏訪和慶が神秘の領域とも呼べる、「詩情」への鍵を身につけている、まさしくその選ばれた一人であることを私は疑わない。(…)音色の用い方、間の取り方、テンポの伸縮や強弱の抑揚における、微妙かつ自然な呼吸…. すべてが、「詩情の領域」を識り抜き、それを拠りどころとする貴重な芸術家の技である。ギターという楽器は、そしてギタリストという芸術家は、このようであってほしい』と評された。
スペインと南米の音楽作品22曲を収めたデビューCD「ギター・リサイタル」は英国やスペイン、米国、イタリア、フランス、オーストラリア、カナダ、日本において様々な評論家や文化機関から高い評価を得る。このアルバムは2015年にレコード芸術誌の準特選版に選ばれる。
諏訪の幅広く奥の深いギターの熟達はスペイン・カタルーニャの作曲家、フェデリコ・モンポウなどのピアノ曲におけるギター編曲とその録音にさらに見ることが出来る。実際、バルセローナのフェデリコ・モンポウ財団は『Kazu Suwa氏は演奏家としての側面に加えて、注目すべき編曲の才能を兼ね備えた、正に最も広い意味での音楽家である。Suwa氏は真に忠実な編曲をされ、彼の巧妙な演奏とその音質によりギターという楽器を、各々のモンポウ作品の音楽的エッセンスを引き出す為の完璧な楽器に高めた事を強調したい』と評された。モンポウは諏訪が最も敬愛する作曲家の一人であり、自らギターのために編曲したモンポウのピアノ作品の一つがこのデビュー・アルバムに収録されている。
英国はロンドンでの長い活動後、現在諏訪和慶はスペインに居住し教育活動にも力を入れている。
諏訪はマドリッド王立上級音楽院でギターを専攻する。同時期、著名なマエストロ達によるギターやピアノのマスタークラスを数多く受講する。日本ではギターをナルシソ・イエペスの直弟子であった芳志戸幹雄に師事。日本大学芸術学部でギターを専攻し芳志戸幹雄・原善伸・樹神功の各氏に師事する。