クラシック・ギター製作家: アーロン・ガルシーア・ルイス(スペイン)

クラシック・ギター製作家: アーロン・ガルシーア・ルイス(スペイン)

クラシック・ギター製作家: アーロン・ガルシーア・ルイス(スペイン)
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今回のギター工房インタビューはスペイン、グラナダのアーロン・ガルシーア・ルイスさんです。

Q1. あなたの工房とその歴史についてお聞かせください。

私が8歳の時に缶詰の空き缶とほうきの棒、釣り糸で作ったのが私の最初のギターです。それからというもの、全ての種類の楽器を作ることを止めた事がありません。同様に、フルート、ドラム、他の打楽器、その後バンドゥリア、鍵盤楽器、ビオラ・ダ・ガンバ、そして最終的にギターを作りました。グラナダ大学で音楽学を学び、私の多岐にわたる世界中の楽器の収集から音響、歴史、美学の知識を得ました。グラナダのギター製作家、マヌエル・フェルナンデスからは伝統的なギター製作の重要な助言を得ました。

Q2. あなたにとって良い音のするギターとはどのようなものですか?またそれを獲得する為にどんな工夫をしているのですか?

楽器の音に取って私が重要だと考える2つの要素は音の美しさと音量です。矛盾している様に見えますが、いくつかの有名なギターは多かれ少なかれその内の1つか両方に不足しています。最初の音の美しさは大変主観的で説明が難しいですが、2つ目の音量はいくつかの技術的な部分を含んでおりギター製作家にとっては達成しやすい部分です。私はグラナダ・スクールのギター製作方から出発し、試行錯誤しながら私の求める方向性(豊富な音量、しっかりとした低音とそれを補う高音、特に暖かく輝きのある音色、しかし決して美的面を損なう事無く、かつハイ・エンドの楽器に相応しい一生持つ耐久性)を求めていきます。

Q3. 弾き易いギターを製作する事について考えをお聞かせください。そして、その為にどんな工夫をされていますか?

弾き易さも個々の音楽家にとってとても主観的なものです。また流派によっても違います(クラシック・ギター奏者にとって快適なものであってもフラメンコやジャズ奏者には不快かも知れません。私は弦高やその他のパーツ(弦長、ネックの厚さや幅、材木の選択、装飾やその他の技術的なスペックなど)について各顧客と相談してから製作しています。

Q4. 伝統的なフレンチ・ポリッシュ(セラック・ニス)や新しい方法(ラッカー、触媒)などの仕上げの方法について、あなたの考えをお聞かせください。

個人的にはフレンチポリッシュが一番好きです。ニスの中で最も良質に木をコーティングするからです。そして楽器の音に与える影響が最も少ないですし、何か問題が起こっても修復するのが簡単です。私は、ポリエステルやニトロセルローズなどのいくつかの分厚いコーティングの場合を除き、ニスの種類は楽器の音に決定的な影響があるとは考えていません。水性のニスを使った実験をいくつかしましたが、将来的に無視すべきでないいくつかの興味深い特徴を見つけました。

Q5. 640, 628 や 615mm などのショート・スケール・ギターに於いて、弾き易さ、設計、音質や音量の観点から、あなたの考えを聞かせて下さい。また、手の小さい人や女性ギタリストの増加によってそれらショート・スケールの需要は伸びていますか?

演奏性を追求する顧客の要望に応える為、今まで630mm又はそれより短いスケールのギターをいくつも作ってきました。驚いた事に、出来上がった音は650mmのそれととても疑似していました。ただ、サドルからナットまでがとにかく近いので、それに相応しい弦を見つける必要があるという事と、見た目が魅力的になる様に楽器本体のサイズが調整されなければいけない、という事です。私の工法は顧客のどんなスケールに対する要望にも答えることができます。近日、多くの女性、子供達、または手の小さい演奏家達よりそのような種類のギターの注文を受けています。

Q6. 多くの読者がギターを色々と試奏していく内にますますどのギターが良いのか分からなくなってしまう様です。製作家の立場から、楽器店や工房でどのようにギターの音質や弾き易さをチェックしたら良いのか、アドバイスを頂けますか?

ギターの販売者になる前、私は長い間バイヤーをしていました。なのでお客さんの質問や困惑は完全によく分かります。ある楽器に一目惚れする事もあれば、理想の楽器を見つけるまで長い期間を経ないといけない事もあります。私のアドバイスはこの重要な投資にあたり、常に質と値段のバランスを注意深く見極める事です。

Q7. 顧客に対してアフター・サービスはありますか? 特に、高額なギターの購入について心配している人たちも多いと思われるのですが。

製作上のトラブルに関しては生涯保証されています。私はギターを製作する時にはギターが長持ちする事を念頭に置いています。ギターは常識の範囲内で気候の変化や激しい使用に耐えなければなりません。たまに複数のいわゆる「事故」にあったギターを修復しなければ行けなかった事があります。

Q8. ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)などの木材がますます入手困難になってきていますが、それはあなたのギター製作や完成したギターの品質にどのような影響があると思いますか?

私は如何なる国においても輸出や輸入に問題のある木は使用しません。

素晴らしい音響特性を持つ多種多様で合法的な木材がたくさんあるのに絶滅種を使うべきではないと思います。同様の事が象牙や鼈甲、いくつかの種類の真珠貝にも言えます。

Q9. 21世紀に於いてギター製作というこの美しい伝統はどうあるとお考えですか?

この職業の将来はギター製作家たちの手の中にあります。もし我々がギターリストの要求や希望に完全に応えることが出来れば、我々は製作し続けていく事が出来るでしょうし、もしそうでなければヨーロッパや中国の工場生産ギターのみが生き残るでしょう。

いずれにしても、常に熟練したギター製作家による良質でカスタマイズされたギターを求めるギターリストがいると思います。

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