クラシック・ギター製作家: アリエル・アメイヘンダ(ウルグアイ)

クラシック・ギター製作家: アリエル・アメイヘンダ(ウルグアイ)

クラシック・ギター製作家:  アリエル・アメイヘンダ(ウルグアイ)
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今回のギター工房インタビューはウルグアイ、モンテビデオのアリエル・アメイヘンダさんです。

Q1. あなたの工房とその歴史についてお聞かせください

ウルグアイで著名なギター工房の一つに挙げられるマヌエル・アメイヘンダの息子として私は1963年にウルグアイで生まれました。私の父マヌエルは、フアン・カルロス・サントゥリオンの弟子でした。サントゥリオンは1950年にウルグアイ政府の奨学生としてバルセロナに、更に詳しく言うと、その当時はまだ現在ほどの名声を博していなかった伝説のギター製作家、イグナシオ・フレタに師事する為に派遣されました。

私は幼少の頃から父の工房で木片で遊んで過ごし、暫くすると私の父は小さい仕事から始めてだんだん複雑な仕事を私に与える様になりました。14歳のとき私にとって始めての楽器を製作しました。20歳位くらいの時には、ある程度の独立性を保ちつつ私の父の工房で働き、24歳の時に独立して自分の工房を開きました。

Q2. あなたにとって良い音のするギターとはどのようなものですか?またそれを獲得する為にどんな工夫をしているのですか?

ギターの美しさはその音にあると思います。素晴らしい音のするギターとは均整の取れた音色と広いダイナミック・レンジを持ったものであるべきです。高音は丸く豊かに響き、良いサステイン、明瞭性、そして倍音が豊かであること、低音は力強く、輪郭がはっきりしていなければいけません。これらを獲得する為に、私は表面板の厚みや、0.01mm以下の精度での正確なドーム付けに極限の注意を払っています。ブリッジがとても軽量で、高さ8mm以下、プラス、ナットとバランスを整える為の2mm、という点に留意しています。スペインのギター製作方法を習得する事が、これら全てにとって非常に重要です。

Q3. 弾き易いギターを製作する事について考えをお聞かせください。そして、その為にどんな工夫をされていますか?

前述のブリッジの高さを除いて、指板を綿密に整えます。私は綿密な調整が出来るので、ニッケル・シルバーのフレット・ワイアを使っています。私は更に解剖学的にする為に指板に少量のラディアスを入れています。これは困難な作業です。この結果、セーハをするのが大変快適な指板を製作する事に成功しました。

Q4. 伝統的なフレンチ・ポリッシュ(セラック・ニス)や新しい方法(ラッカー、触媒)などの仕上げの方法について、あなたの考えをお聞かせください。

私は今となっては明白で反駁出来ない理由により、セラック・ニスの熱狂的な信者です。

Q5. 640, 628 や 615mm などのショート・スケール・ギターに於いて、弾き易さ、設計、音質や音量の観点から、あなたの考えを聞かせて下さい。また、手の小さい人や女性ギタリストの増加によってそれらショート・スケールの需要は伸びていますか? 

私は受注により、640mmスケールのギターをたくさん製作しましたが、非常に良い出来に仕上がりました。音色面やテンションを減らす事によって弾き易さを向上させる為に、表面板の厚さをほんの少し減らします。

Q6. 多くの読者がギターを色々と試奏していく内にますますどのギターが良いのか分からなくなってしまう様です。製作家の立場から、楽器店や工房でどのようにギターの音質や弾き易さをチェックしたら良いのか、アドバイスを頂けますか?

そうですね、あなたにとって最適なギターとはあなたが一目惚れしたギターであるべきでしょう。どのようにして、それが起きるかについては、何も言えません。なぜあなたがある音色のギターに恋をするのかに説明する術はありません。

しかしながら、1つだけ提案したい事があります。ギターの品質を音量だけで判断しないで下さい。もし指板状の全ての領域に均衡がとれていなく、有効なダイナミック・レンジ(ピアニッシモからフォルティッシモまで良好な鮮明度を保った音でないといけません)、音色のバラエティ、そして良いサステイン無しでは、爆発的な音量は何の役にも立ちません。

Q7. 顧客に対してアフター・サービスはありますか? 特に、高額なギターの購入について心配している人たちも多いと思われるのですが。

これについては、私のwebページに、私の顧客が如何に私のギターに満足してくれているかについて記された膨大な量のフィードバックのコレクションを見て頂くのが一番でしょう。私は大変光栄に思うと共に、更にこの道を極めて行く為のインスピレーションになっています。

Q8. ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)などの木材がますます入手困難になってきていますが、それはあなたのギター製作や完成したギターの品質にどのような影響があると思いますか?

現在でも証明書付きのブラジリアン・ローズウッドは少量、そして大変高価なものが入手可能ですが、品質は私の父の時代のものと比べると大変劣ります。一般的に現在の材木はとても若い樹木から切り出されており、その切り方(私にとっては大変重要な部分です)も要求を満たしていません。というわけで、私は放射状に綺麗に切られたインディアン・ローズウッドの方を好みます。

Q9. 21世紀に於いてギター製作というこの美しい伝統はどうあるとお考えですか?

若い世代は大変熱心で、私が修行した時には想像も出来なかった現在の驚くべきコミュニケーションの発達と共に、膨大な可能性を秘めていると思います。これは疑う余地もなく良い事です。一方で、一般的に家族で引き継がれている製作家達の伝統が失われてきている様に思えます。工房はただ単にギター製作の技術を学ぶ場所ではなく、世代から引き継がれてきた人生の生き方でもあります。今、私の息子達が私と共に工房にいます。私は知識を彼らに伝えて行く重要さについて認識していますが、たまに私が彼らに意識的に伝授しているのではなく、彼らがここにいる事によって自然に吸収して行く様子に気がつきます。

私は将来の高品質の木材不足について少し懸念しています。これは疑う余地も無く、すぐに深刻な状況になるでしょう。我々はこれを耐え抜き、問題を克服していけなければならないでしょう。

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