クラシック・ギター製作家インタビュー: ホセ・A・ペレス=メンチャカ(アメリカ)

クラシック・ギター製作家インタビュー: ホセ・A・ペレス=メンチャカ(アメリカ)

今回のギター工房インタビューはアメリカ、フロリダのホセ・A・ペレス=メンチャカさんです。

 

Q1. あなたの工房とその歴史についてお聞かせください。

私は幼少より私のおじであるホセ・ヤコピの家で彼がギターを製作するのを見ながら育ちました。1968年頃、私の父であるアグスティンがホセ叔父さんの匿名社員(出資者として配当は受けるが経営には参加しない)になり、ヤコピの生産施設を発展させました。加えて、この時期に楽器製作に使われる木材を選択する際、父とおじの両方に付き添っていたお陰で木材の選択やそれぞれの音響的特性を認識する術を身につけました。

10歳の時に私の父とおじが(彼らの監督のもと)私が楽器を作る事を奨励し、こうして私の初めての楽器が組み立てられました。このように、私の50年に渡る経験が現在の私のアートに反映されているのです。

 

Q2. あなたにとって良い音のするギターとはどのようなものですか?またそれを獲得する為にどんな工夫をしているのですか?

私の考える良い音のするギターとは、演奏のしやすさ、音の深さ、フレットの正確さ、材木の選択、サステイン、バランスのとれたボディー等が備わったものです。

 

Q3. 弾き易いギターを製作する事について考えをお聞かせください。そして、その為にどんな工夫をされていますか?

弾き易さを高める為に、ギターの重量を軽く、指板やアーム(ヘッドからボディーとの結合部)を小さな手にも馴染む様に弾きやすく、人間工学的な使い勝ってを考慮して作っています。私は究極に薄いアーム/ネック/指板の複合体を作るジレンマをカーボン・ファイバーのロッドを挿入し、指板を曲面にする事によって解決しました。このコンビネーションによって、ユニバーサル・スタジオで毎晩演奏していたギターリストである友人(アレハンドロ・カルタル)が手根管症候群の手術を受け無ければならない事態を招く事を事前に防ぎました。

 

Q4. 伝統的なフレンチ・ポリッシュ(セラック・ニス)や新しい方法(ラッカー、触媒)などの仕上げの方法について、あなたの考えをお聞かせください。

わたしの仕上げの好みは、楽器の種類によって変わってきます。コンサート・ギターにはフレンチ・ポリッシュ(シェラック)のみを使いますし、アコースティック・ギターには毒性や引火性のない、KT9のような水溶性の触媒アルカイド塗料で仕上げます。私は決して毒性のある触媒塗料は使わないでしょう。

 

Q5. 640, 628 や 615mm などのショート・スケール・ギターに於いて、弾き易さ、設計、音質や音量の観点から、あなたの考えを聞かせて下さい。また、手の小さい人や女性ギタリストの増加によってそれらショート・スケールの需要は伸びていますか?

ショート・スケール・ギターは女性や子供等手の小さい人たちに楽器を提供する為に必要です。もちろん設計、音響特性や音質について配慮する事は極めて重要です。

 

Q6. 多くの読者がギターを色々と試奏していく内にますますどのギターが良いのか分からなくなってしまう様です。製作家の立場から、楽器店や工房でどのようにギターの音質や弾き易さをチェックしたら良いのか、アドバイスを頂けますか?

楽器の選択はまず弾き易さに基づくべきで、その後に音、そして見た目の順に評価すべきです。以下にチェックすべき項目を挙げます。

  • 演奏するとき手に負担がかからないか

  • 音の深さ

  • サステイン

  • 音程の正確さ

  • 仕上げ

 

 

Q7. 顧客に対してアフター・サービスはありますか? 特に、高額なギターの購入について心配している人たちも多いと思われるのですが。

私の楽器は事故を除き、生涯完全保証されています。事故については個人がそれぞれ保険に加入すべきです。

 

Q8. ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)などの木材がますます入手困難になってきていますが、それはあなたのギター製作や完成したギターの品質にどのような影響があると思いますか?

いくつかの外来種の木材が希少、又は絶滅する事が増加する事によって一時的に工房に影響していますが、我々はいくつかの外来種を使うのか、同じ特徴を持った代替種を使うのか、又は保護された種の伐採禁止が解かれるのをただ待つのか、将来について考えるべきです。

 

Q9. 21世紀に於いてギター製作というこの美しい伝統はどうあるとお考えですか?

手工業ギター製作は工房の絶え間ない増加と製作家達のコミュニティーによって存続するでしょう。私はここ30年間に途方も無い発展を見てきました。1970年と比べて現在には更なる製作家達がいます。